公道デビューをサポートする 家庭教師型ライディングレッスン「初めての路上教習」で必ず体験していただいているのがコレです。
ライディングの「基本中の基本」ですから、みなさんもぜひ実験してみてくださいね。
以下に、動画でお話している内容を「文字起こし」しておきます。
こんにちは、今日は「身近な物でバイクの特性を知る」というお話をしたいと思います。
実は、先日、コンビニに入ったら、ツルッと滑って転びそうになりました。
雨でスニーカーが濡れていたうえに、コンビニの床がピカピカに磨かれていたからです。
みなさんにも、似たような経験がありますよね?
今日は、バイクを安全に、気持ちよく走らせるうえで、もっとも大切な
「タイヤの使い方」を知る
というお話をしたかったので、ちょうどいいエピソードだと思います。
さっそく、やってみましょう。
みなさんにお願いがあります。
手元に消しゴムを用意してください。
使いかけのもので十分です。ただ、小さ過ぎると実験しにくいかもしれません。
Step1
まず、テーブルの上に消しゴムを置きます。
人差し指で消しゴムを「ツン、ツン」と突いてみてください。
どうなりましたか?
ズリッ、ズリッって動きましたよね。
Step2
今度は、人差し指で消しゴムをジワッと押さえつけてから、前後左右に動かそうとしてみてください。
どうなりましたか?
がっちりとテーブルに張り付いて動かなかったはずです。
机も消しゴムもまったく同じ。何ひとつ変わっていないのに
どのように扱うかで、
これほど性質が変わってしまうんです。
もう、おわかりですよね。消しゴムは「タイヤ」と同じです。
タイヤのグリップは、みなさんの操作次第で「強く」も「弱く」もなるということです。
たとえば、スロットルやブレーキを乱暴に扱うと、最初にツン、ツンと突いたときみたいに、タイヤがズリズリと滑るわけです。
でも……
始めじんわり、後からシッカリ
操作してやると、消しゴムを押し付けてから動かそうとしたときみたいに、タイヤがガッチリとグリップして、安全に安心して走れます。
特に、濡れていたり、砂が浮いていたりする路面では、この「始めじんわり、後からシッカリ」という操作がとても重要です。
スッとブレーキレバーを握って、指先にタイヤの接地感が伝わってきてから、しっかりブレーキレバーを握り込む。
じんわりスロットルを開け始めて、お尻にリヤタイヤのグリップが伝わってきてから、大きくスロットルを開けていく。
これらを心がけておけば、どんなシチュエーションでも安定してうまいライダーになれることは間違いありません!
というわけで、冒頭にお話しした「雨のコンビニ」では、最初の一歩目をじんわり行くことが大切だったわけですね。
せっかくなので、もうひとつお話させてください。
操作の仕方でグリップが変わるっていうのは、コーナーでバイクを倒し込むときも一緒なんです。
エイヤッとか、バタンと倒し込むと、タイヤがズリッと滑って転ぶ危険性があります。実際に、バイク雑誌の取材中に、何度か目の前で目撃しています。
ベテランライダーの中には「ブレーキをゆるめて、フワッとなった瞬間に倒し込めばいいんだよ」という方もいらっしゃいますが……路面状況が刻々と変わっていく一般公道では、これも危ないです。
雨が降っていようが、砂が浮いていようが、安全に安心して曲がるためには、消しゴムで実験したように、ジワッと先にタイヤのグリップを高めておいて、そのグリップを逃がさないように倒し込むのがベストです。
その具体的な方法は、コーナリングをテーマにしたときに改めて解説させていただきます。
ちなみに「ジワッ」と押してグリップを高めていくときに、斜めに押すとズリズリいきます。
でも、真上から押してやると、ガッチリ食いついて、滑らない。
ブレーキをかけるときは、車体を垂直に!
車体が傾いているときに「急」な操作をすると「滑って転びやすい」と言われるのも、わかりますね。
このように、どんな方向に押すと、確実にグリップが高まるかの実験もしてみてください。
賢人の格言
では最後に「まとめ」です。
バイクライディングの、いちばん大切な「基本中の基本」は
「始めじんわり、後からシッカリ」
今日からこれを意識するだけで、
あなたのライディングは一段と美しく、安全になるはずです。
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