R1200GSとはまったく違う! …CRF1000Lアフリカツイン 初試乗記

林道ツーリングに行きたい!!

帰宅してすぐに「ビッグオフ 林道」と打ち込んで「Enter」キーをたたきました。

抱いていたイメージとは、いい意味で

アドベンチャー界の絶対王者 BMW・R1200GSとも、

スポーツアドベンチャーの雄 DUCATI・ムルティストラーダ1200とも、

ミドルアドベンチャーの人気モデル TRIUMPH・タイガー800とも違います。

HONDA CRF1000L Africa Twin

ホンダが掲げた

CRF1000L アフリカツイン

の開発コンセプトは

真のアドベンチャー スポーツ

乗ればたちどころに「真の」の意味を理解できるはずです。


ここでプレス向けの資料に目を通すと…

1988年に「アドベンチャー スポーツ」というカテゴリーを開拓したアフリカツインの名前を受け継ぐ以上、オフロードの走破性は譲れない。かといって、お目当てのフィールドに到着するまでに疲れてしまってもいけない。だから大排気量ツアラー並みの快適性も兼ね備えました。

とあります。

押さえておきたいのは、あくまでオフロードを基軸に開発されたモデルということです。

言い換えるなら

…オフロードも走れる快適ツアラーR1200GS

スーパースポーツ並みの走りを味わえるムルティストラーダ

程よいパワーとスポーツ性を兼ね備えたタイガー800

に対して、アフリカツイン

…林道ツーリングに行きたくなる、ベストバランス万能バイク

と例えられるのです。

とにかく「軽い」

他車との最大の違いは、どこにも重さを感じないことです。

特に、エンジンが軽いことに驚きました。バイクの動きに、ビッグオフ特有の重厚感がないんです。

ホンダ独自のユニカム(1本のカムシャフトで1気筒当たり4本のバルブを駆動)やドライサンプ方式の採用、バイクの重心付近に重量物を集中させた効果でしょう。

アフリカツイン 車体重心

 ↑ ホイールベースの中央付近、やや上方に「車体重心」を設定。これが、あらゆる方向に抵抗感なく車体が動いてくれる最大のポイントだと思います。(プレス用資料から抜粋)

操作系も軽く、エンジンのレスポンスや吹け上がりは滑らか&軽快。

スロットルの開け方でテイスティから勇猛ダッシュまで自在にコントロールできます。

排気音もなかなかのものです。

曲がるときのフィーリングは実に自然。

どこにも嫌な重さ(手ごたえ)がありません。

ブレーキのタッチと制動力特性にも秀れています。

リヤのABSを停止できるのもオフロードでは便利。

前後サスペンションの懐の深さも気に入りました。

乗り心地がよく、フラットダートを何の不安もなく駆け抜けられるのに、

オンロードでのスポーティな走りにもしっかり応えてくれるからです。

ピッチングモーションは大きめですが、

前から後ろ、後ろから前へ姿勢変化するスピードが思った通りなので……

どんな状況でも「操っている」実感が大きく、気持ちいいんです。


そのうちに浮かんできたのが、

できないことはないという言葉。


「道志みち」のような郊外道路をクルマの流れに乗ってのんびり走るのもよし、

箱根界隈のワインディングロードを駆け抜けてもよし、

フラットダートを中心とした林道に分け入ってもよし、

タンデムでツーリングに出かけてもよし。

足着き性は、ハイポジション(シート高 870mm)で

両足の20%程度が着地する程度(筆者は身長170cm 体重65kg)と、

それなりですが、ハンドルでも支えやすいため、立ちゴケの不安はありません。


オンロードのロングランを考えると、

シャフトドライプやチューブレスタイヤを望みたくなりますが、

オフロード走行の気持ちよさを思い浮かべると、

現状がベストな組み合わせといえるでしょう。

ウインドプロテクションが秀逸なこと、

スタンディングしやすいこと、ETC車載器を標準装備すること、

ハードケースやセンタースタンド、グリップヒーターの

純正オプションが揃うことも付け加えておきます。

DCTは秀逸な出来

アフリカツイン メーター今回試乗したのはDCT仕様で、

その進化に驚きましたが……

すべてのモードを十分に試す時間はなかったので、

詳細は機会を改めます。

一応、ひと通り試してみた結果をお伝えしておくと、

普段は「D」モード、

飛ばすときには「S」モード・レベル2+G-スイッチON+トルクコントロールレベル1(最小)が好みでした。

フラットダートを少し走った印象では、DCTでもまったく問題がありません。

狭い場所でのUターンにだけは慣れが必要ですが、それ以外は快適至極。

ロングランを考えたらDCTも「いい」選択だと思います。

理想的なセロ―?!

ホンダの方々には怒られそうですが、僕の正直な印象は

「セロ―250」の排気量を拡大して理想的林道ツアラーに仕上げたのが

アフリカツインという感じです。

その真意は……

◎どこにでも気軽に分け入っていける自在感に満ち溢れている

◎それでいて高速道路を快適に走り続けられる

◎パワフルで速いのに、やんちゃ過ぎず、ライダーの気持ちに寄り添ってくれる
 (この寄り添い感が大きな魅力です)

◎オンでもオフでも、飛ばしても流しても

 しなやかで意のままの操縦性を維持してくれる

◎ビッグオフにありがちな「バイクに潜り込むような乗車感」ではなく、

 トレールバイク的な自由感にあふれている

◎チェーンやエアクリーナーなどのメンテナンス、サスセッティングをしやすい

タイヤが安価だから心置きなく出かけられる

といったところです。

そんなわけで、アフリカツイン欲しくなってしまった今日この頃。

僕なら一般的なマニュアルミッション仕様にして、

センタースタンドとトップケースのオプションを追加するでしょう。

[wc_row][wc_column size=”one-half” position=”first”]輪島

[/wc_column][wc_column size=”one-half” position=”last”] 白川郷 [/wc_column][/wc_row]

アフリカツインが手元にあれば……

金曜日の夜に東京を出発して、

土曜日の早朝に千里浜なぎさドライブウェイに到着。

朝日を浴びながら波打ち際を疾走したら、

輪島の朝市でおばちゃんたちの屈託のない笑顔と触れ合い、午後から金沢を散策。

白川郷に宿をとって、のんびりと過ごしたら、

翌日は高山朝市、中央アルプス越え、信州経由で東京に戻るといった感じでしょうか?

1泊で1200km。それでも疲れは少なく、週明けから活き活きと働けるはずです。

しかも、こうしたアドベンチャー ツーリングに毎月、

出かけたくなってしまう「何か」を持っているのがアフリカツイン。

所有するだけで満足するのではなく、走ってこそ価値がある。

開発陣は、きっとそんなふうに考えたに違いありません。

リセットに最適なバイク?!

最近はデジタルデトックスという言葉を耳にすることが多くなりました。

ネットサーフィンやゲームばかりしていると、

…夢を実現する気力が失われたり、

…他人の価値観に左右されやすくなったりするから、

時々、そうしたものから離れて自然と触れ合い、

様々なことを体験し、感じ、考える生活を送ったほうがいい。

それが

…人生を充実させる力

…夢を実現する力

…自分の感性で物事を判断する力

になっていくという、考え方です。

そんなデジタルデトックスに最適なのがアフリカツイン。

どんなアドベンチャーモデルよりも、日本中の自然と深く触れ合い、

たくさんの思い出を作ることができるバイクではないでしょうか?

※記事の内容や価格は掲載当時(2016年3月)のものです。
※最新の情報は、お手数でも、ご自身でご確認くださいませ。


バイクと ツーリング で人生を面白く!……K2 Bike TRAVEL




2 件のコメント

  • 始めまして、
    セロー250乗りのアラフィフオヤジです。
    先日、CRF1000L購入しました。

    記事、興味深く読ませていただきました。

    自分は、トップケースはgiviの物をセローと共有しようと思い、オプションはフロントサイドバーだけ付けました。
    センタースタンドは、悩みましたが検討中です。チューブタイヤですもんね。

    理想的なセロー!
    まさしくそう思います(^.^)

    同感です(^-^)v

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